私のオーケストラ史 〜 回想と証言 草刈津三著

  内容目次  推薦文

    ご購入のお問い合わせ  

拡大写真

日本のオーケストラ活動の成長期が、
戦後演奏史と共にいきいきと描かれた
音楽ファン、研究者、待望のドキュメンタリー。
著者の遺作となった渾身の力作

著者略歴:草刈 津三 (くさかり しんぞう)

1926年、中国・天津生まれ
武蔵野音楽大学に学び、47年から東宝交響楽団(現・東京交響楽団)の
ヴィオラ奏者として活躍、その後音楽プロデューサーに転じた。文化放
送が 開局すると 56年には故・渡邊暁雄と共に日本フィルハーモニー交響
楽団の創立に参画。その後、黄金時代を築いた。70年には東京都交響楽
団の楽団主幹に就任し、77年の旧ソ連、東欧に日本のオーケストラとし
て初めての演奏旅行を成功させた。84年から作陽音楽大学教授に就任。
87年から(社)日本演奏連盟事務局長となり、98年からは常任理事。日本
オーケストラ連盟、日本室内楽振興財団、アフィニス文化財団を始め、
多数の音楽・文化団体の役員を兼務していた。
2004年12月、本書上梓の直後に病没。


発行: Duo Japan
制作:音楽之友社

内容目次
*序章
1.宝響から東響へ
2.民間放送の発足
3.日本フィル創設へ
4.小澤事件と読響創立
5.日本フィル初期の外来客演指揮者
6.東響の危機
7.都響の躍進と日本フィル分裂
8.都響と外来指揮者たち
9.オーケストラ新時代へ
*あとがきにかえて〜私の生い立ち

 

推薦文

草刈津三著「私のオーケストラ史」〜回想と証言〜

その刊行を祝し、この本を推薦します。

 この度、私達のオーケストラ運営の先輩、草刈津三さんが表記のような本を刊行されました。私達、
オーケストラを舞台裏から支えている人間にとっては、先輩の貴重な体験が満載された大変興味深く、
価値ある本であり、その出版を心からお祝い申し上げます。

 オーケストラというアンサンブル団体は、単に演奏者が寄り集まっただけでできるものではなく、
集まった演奏者が相互に有機的に結合することにより、豊かな音楽を作り上げていくことができます。
しかしながら、我が国ではそのことが直には理解されず、その理解度を高めることの必要性が長いこと
叫ばれてきました。

 このような国においては、そのオーケストラで、ある期間演奏し、その内情を知り尽くした人がオー
ケストラ運営を行うべきだ、というのが草刈さんの持論で、そのことを一貫して主張して来られました。
私達はまさにそうした草刈さんの存在を前に見て、この道に入り、後を継いできたことになります。

 この本にはそういった草刈先輩のオーケストラに対するお考えや情熱が随所にあふれています。また、
若い研究者や音楽ファンにとっては、終戦から30数年間に亘る日本のオーケストラ成長期の演奏活動を
つぶさに知ることができる客観的資料性にも富んでいます。

 オーケストラ関係者はもとより、研究者、一般の音楽ファンにも大変興味深い内容となっておりますので、
是非とも多くの方々にご購読いただきたく、お薦めいたします。

 また、皆様のご関係の方で、本書の内容に興味のありそうな方や音楽学生などにも、広くご紹介いただければ
幸いでございます。

 なお、当初、出版をお祝いしてささやかなパーティーなども考えておりましたが、あいにく、草刈さんが刊行
直前のこの時期に体調を崩され、現在、入院加療中でございますので、発起人一同、心からそのご回復を祈念しつつ、
本状をもって本著作をご案内、ご推薦申し上げる次第でございます。

 平成16年12月吉日

草刈津三著『私のオーケストラ史〜回想と証言〜』を推薦する会

  発起人

代表 金山 茂人  (東京交響楽団楽団長)
  田邊  稔   (日本フィルハーモニー交響楽団専務理事)
  松原千代繁 (東京芸術大学客員教授、元新日本フィルハーモニー交響楽団専務理事)
  今村  晃   (九州交響楽団事務局長、元東京都交響楽団参事)
  岡山 尚幹  (日本オーケストラ連盟常務理事・事務局長)
  瀧    淳   (東京コンサーツ会長)
  小尾  旭   (ミリオンコンサート協会代表)
  薮田 益資  (インターネット「クラシックニュース」プロデューサー、元梶本音楽事務所副社長)
  菊地 一男  (日本演奏連盟事務局長)